第14回プレゼン会を開催しました
5月30日、第14回プレゼン会を開催しました。
プレゼン会は、メンバーさん同士がお互いの得意分野を理解し合い、コラボレーションのきっかけを生み出す場として開催されています。
今回はco-labに集合するメンバーと、オンラインで参加するメンバーによるハイブリッドな開催。16名が現地に集まり、みんなで乾杯からスタートしました。
プレゼンターは、はなだフォトワークスすみだの花田友歌さん、Lei株式会社の長門康之さん、株式会社HaSの皆川拓さんの3組です。
写真の力で豊かに生きる
トップバッターははなだフォトワークスすみだの花田友歌さんです。
花田さんは出張撮影専門のフォトグラファーです。現在も大手企業に在職中ですが、お子さんが生まれたことをきっかけに起業されました。
事業の形は「出張撮影×地域密着」。出張撮影はスタジオを持たなくても可能な上、ロケーションに精通すれば強みになると考えてエリアを限定しました。それにより子育てなどの時間的な制約もクリアしたそうです。お子さんがいるからこそ生まれた発想と強みですね。
サービスは家族写真からスタートし、最近はビジネスの写真も手掛けています。
家族写真とは、七五三など子どもの成長の節目や、家族の記念に撮る写真。特徴的なのがニューボーンフォトという新生児が生まれてから3週間くらいの間に撮る写真です。この撮影の際は、母子の心身を気遣い、助産師さん同行のサービスにしているそうです。ここにもお子さんがいる花田さんならではの工夫を感じます。
ビジネス写真はプロフィールや店舗、商品の撮影です。最近は錦糸町駅前でおなじみテルミナさんが手掛けている「ハロー! イースト東京」というウェブマガジンの各記事の取材撮影も手掛けています。
また、現在は自分が撮りたい写真の追求のために、大学に編入して学んでいると話されました。課題で撮影したコロナ禍のお子さんの写真を見せてもらいましたが、広告写真でもいわゆる家族写真でもない、閉塞感がある中で元気をもてあましているような子どもの姿が切り取られていました。
(花田さんが学校の課題で撮影した写真)
お話を伺うことで、花田さんは子どもの写真を出発点かつ中心点として、その周りにある地域や教育環境に関心を伸ばしていき作品世界を深めているのだと合点がいきました。 すみだを愛するメンバーさんも花田さんの写真に興味津々な様子で、懇親会でも数々の写真を見せてもらい楽しんでいました。
オルタナティブなアロマディフューザー
続いての発表者は、Lei株式会社の長門康之さんです。 長門さんはアロマディフューザーを制作しているのですが、アロマの香りを運ばせる方法に大変こだわりをもっています。
「Lei」というプロダクトは、電源を一切使わずキャンドルの火だけでファンを回転させ、そっと香りを運んでくれる新しいタイプのアロマディフューザーなんです。
長門さんは3年間の製品開発を経てLeiをつくり、2021年の7月から販売しました。
すると、「iF デザイン・アワー2021」「reddot・アワード 2021」「A デザイン・アワード」「DFA アジアデザイン賞」「グッドデザイン賞 2021」「JID AWARD 2021」「JIDAセレクション 2021」「Sky デザイン・アワード(金賞)」「Dezeen デザイン・アワード」「シカゴ・グッドデザイン賞 2021」という名だたる世界中のデザイン賞を獲得されました。
今回、長門さんはco-lab墨田亀沢に入った理由を「環境を変えないと新しいものをつくれないと思って」と語り、現在制作中の新しいプロダクトの材料をめぐって、メンバーの皆さんに意見を募りました。早くもコラボレーションの気配を感じます。
今後の展望としては、製品の利便性よりも作り手の哲学や意図をプロダクトに結実させ、世界の市場に出したいとおっしゃいました。 これから長門さんがco-lab墨田亀沢という場所から、どのような新しいアロマディフューザーを生み出してくれるのか期待が高まりました。
地域の魅力が目覚めるホテル
最後の発表は株式会社HaSの皆川拓さんです。 皆川さんは別荘建築や商業インテリア設計を中心とした建築士として活動中(AQT一級建築士事務所 )で、今年4月に新しい会社のHaSを立ち上げました。
HaSのタグラインは“Local is authentic”。メキシコや日本での宿泊事業を中心に地域の魅力を伝えていく事業です。 ここでなぜメキシコかという疑問が生まれます。その答えは「奥さんがメキシコ人だから」でした! ふいに、“Love is authentic”という言葉が僕の脳裏をかすめたことを一応記しておきます。
では、具体的にどういった事業をメキシコで展開するかというと「一棟貸しのプライベートホテル」「100%メキシコ」「日本人のホスピタリティとデザイン」という3つのコンセプトでプライベートホテルを建築するそうです。 上記のコンセプトが可能な理由として、皆川さんはメキシコの物価の安さをあげられました。なんと日本の3分の1。それゆえコストも格段と安く抑えられ、贅沢なホテル事業を展開できます。そして、熱帯気候なので植物が育ちやすく、伝統工芸を使ってインテリアも凝ることで、トータルで「100%メキシコ」を押し出せるようです。それに日本人のホスピタリティとデザインをかけあわせることで、メキシコ各地の土地の魅力を伝える空間を作りたいと皆川さんはおっしゃいました。
続いて皆川さんは、チーム体制について話してくれました。メキシコ人スタッフとの仕事においても、物価の差によりプロジェクトが推進しやすくなるそうです。その理由は単に人件費やコストが安くなるだけではなく、「検討に時間をかけられること」だと皆川さんは言いました。そうすることで確実にいいものがつくれるそうです。
また、時差の利用による24時間体制もとっており、切れ目なく制作を継続できる仕組みも整えているそうで、余すことなく仕事に時間を注力する皆川さんの姿勢が興味深かったです。
皆川さんと同じく地域性を大事にするco-lab墨田亀沢で、今後メンバーの皆さんとどのようなコラボレーションを生んでいくのか楽しみです。
懇親会で交流が深まる
プレゼン会が終わって、恒例の懇親会へ。TOMTOMさんのケータリングを楽しみながら会話が弾みます。 今回のプレゼン会は現地で参加してくれる方が多く、一堂に会する喜びや高揚感を味わい、話を皆で盛り上げることができました。 身近にいるからこそレスポンスを重ねやすく、話しの熱が冷めないまま会話の輪でつながれる。そうしてつながった輪がまた、新しいクリエイティブと今日のような楽しい夜を呼び込むのだと思います。
改めてプレゼン会がco-lab墨田亀沢になくてはならないものだと実感できました。