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co-lab墨田亀沢の毎日

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co-lab墨田亀沢「3rd anniversary party」を開催しました!vol.1

4月19日(木)、co-lab墨田亀沢のオープン3周年を記念し、「3rd Anniversary party」が開催されました。co-lab墨田亀沢を通じたサンコーの取組みと、地域に広がり始めた「化学反応」の実例をテーマに、3年間の歩みをお伝えしました。vol.1では、このイベントの前半部分についてお伝えします。
イベントに先立ち、工場見学やこれまでのサンコーの取り組みをまとめたパネル展を開催。平日の忙しい中にも関わらず、多くの方がイベント前に見学してくださいました。
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そして、18時30分、イベントスタート!立ち見の方でいっぱいになるほど、会場が熱気に包まれました。
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まず、株式会社サンコー取締役社長で、co-lab墨田亀沢チーフ・コミュニティ・ファシリテーターの有薗悦克より、3年間の振り返りと変化の裏側をお話させていただきました。

co-lab墨田亀沢という「場」の原点

(有薗)サンコーは、「『任せてよかった。ありがとう!』と言われ続けるために、常に変化し、成長し続ける会社でありたい。」というのが経営理念です。事業ドメインは、「おもいをカタチにする仕事」であると考えています。そんな想いを持ちながら、これまで様々な取り組みをしてきました。
co-lab墨田亀沢のきっかけは、実は当社が借りていたビルが競売にかけられてしまったことからなんです。事業を継続するためにビルを買い取らざるを得なくなり、地元の信用金庫さんにご協力を頂き、何とか事業を続けられるようになりました。しかし、この3階がまるまる空いてしまいました。その使い道を考えていたところ、墨田区から「新ものづくり創出拠点整備補助金」の話をいただきました。「墨田区にはピーク時に9,700件あった町工場が、現在では2,500件ほどまでに減少して、このままでは2030年に町工場がなくなってしまう」。という話を聞きました。江戸時代から続く“ものづくりのまち”としてのアイデンティティを守っていくために、外部と連携した新しい「ものづくり」に取り組む企業を応援する。そんな目的を持った補助金とのこと。この補助金を活用して、この場所にクリエイターの集まる場所を作ることで、地域の印刷産業を活性化し、サンコーも価格だけで評価される下請け仕事から脱することができるのではないか。そう思ったんです。
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当時、墨田区内はフリーランスのクリエイターの方が増加していたものの、実は印刷について相談する先がわからず、印刷難民になっていたとわかったんです。印刷会社はクリエイターの力を必要としていて、クリエイターは印刷会社が当たり前にもっているインフラを必要としている。であれば、印刷会社とクリエイターの両者をつなげる場所をつくれたらいいじゃないか。そんなことを考えました。
そして、色々なシェアオフィスを見て回り、co-labというクリエイター専用のオフィスに出会いました。初めて見学に伺ったのは渋谷のオフィスだったんですが、部室のような雰囲気が素敵だと思い、こちらからアプローチをしました。そして春蒔プロジェクトさんとのライセンス契約を締結させて頂き、3年前の2015年3月にco-lab墨田亀沢がオープンしました。
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オープニングパーティーは盛大に行われ、多くの人が足を運んでくださいました。しかし、想いとは裏腹にオープン翌日以降は上手くいきませんでした。翌日からオフィスには全く人がいない状態だったんです(苦笑)同時期にオープンしたco-lab代官山はすぐに満室稼働。そこで「東東京にしかない価値、墨田にしかない価値は何か?」を徹底議論しました。そして、「墨田は江戸時代から続く歴史があり、葛飾北斎が活躍したまちでもある」といった文化的な側面と「ものづくりのまちであり、職人がいること」、2つがこのまちの価値であるという結論に至りました。オープンから1年経った時に、「ものづくりの『職人』と『クリエイター』が出会い 化学反応が起きる『場』」という新たなコンセプトを打ち出しました。その頃から面白い取組みが起こっていきました。

化学反応の事例

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◉インクデザイン合同会社
co-lab墨田亀沢のメンバーであるインクデザイン合同会社代表の鈴木さんから、「世界に1枚の名刺を作りたい」という相談を受けたことから始まった名刺づくり。意図的に濃度を変化させながら印刷した用紙を互い違いにし、さらに斜めにずらして断裁することで、全部異なるデザインの名刺をオフセット印刷で実現させました。
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◉デザイナー島谷さん
着物のデザインをされているデザイナーさんの展示会ポスター制作のため、メンバーであるデザイナーの島谷さんから、魚のうろこのように模様を入れて印刷できないかと相談がありました。通常の印刷では表現できない模様を、職人からのアイデアによりデザイナーのイメージ通りの模様を生み出すことができました。
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化学反応から広がってゆく、新しい事業の形

(有薗)こうして、職人とクリエイターが一緒になって、現場で物事を考えることで面白いアイデアが出てくることがわかると同時に、面白い人が増えることでだんだんとこの場所が、まちのコミュニティのハブになっていきました。メンバーさんによる小学生向けのプログラミングスクール「QUEST(クエスト)」開催や、現代の技術を使って浮世絵を再現するプロジェクトをすみだ北斎美術館と企画したりと、さまざまな組み合わせでまちのコニュニティが構築されていきました。
さらに、新規事業として始めたco-lab墨田亀沢の事業が、さらに新たな新規事業を創出することにもつながりました。ひとつは、「イッサイガッサイ」というもので、ものづくりで創業する人たちを支援する事業です。この事業を通じて、ベンチャーの方々とも知り合うきっかけになりました。co-lab墨田亀沢のメンバーでもある、forsistersという会社。元々は渋谷で創業し、印刷の課題を抱えていたことから、住居ごと墨田に移り事業を行っています。彼らのサービスは、SNSでつながっている人に住所を知らなくても手紙を送ることができます。このサービスでは、彼らのサイトでデータが作られ、サンコーが印刷をして発送をしています。このようなベンチャー企業とのコラボレーションも生まれました。eiffleサイト
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あとは、大企業とのコラボ。私としても、非常に思い出深い事例です。これは、キャノンのグループ会社であるキャノンITソリューションズが、欲しい手帳をwebサイト上から頼むと、1冊から製本して作ることができるサービスを考えました。なかなか実現できる会社がいなかった中、大企業と従業員が20名弱の印刷会社・製本会社がコラボレーションする機会が生まれたんです。ネットde手帳工房サイト
このように「ものづくりの『職人』と『クリエイター』が出会い 化学反応が起きる『場』」というコンセプトが、結果として表れてきたのかなと思っています。
これは技術を持ったサンコーの職人と、アイディアを持ちデザインができるクリエイターが、一緒に工場に入って考えたからこそ出来たことだと思っています。このような化学反応をさらに加速させ、「新しい印刷産業を創る」と3年前のオープンに宣言したことを実現していきたいと思っています。
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vol.2では、パネルディスカッションの様子をお届けします。

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