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スミカメゼミ:地方の“光と闇”を開催しました。

8月12日、メンバーさん同士の自主的な勉強会として不定期で行っているスミカメゼミが、約半年ぶりに開催されました。チーフ・コミュニティ・ファシリテーターの有薗とライターの草野さんが企画し、初のオンライン・オフラインどちらの参加でもOKというスタイルで11名が参加しました。

今回のテーマは、「地方の“光と闇”」

そもそもこのテーマになったのは、先日開催された第10回プレゼン会で交わされた会話がきっかけでした。メンバーさんは、イベント会社の方やデザイン会社、編集者、ライターなど、さまざまな角度から地域に関わる仕事をしています。
「地域に入って仕事をすると、それぞれ風土や暗黙のルールみたいなのがあったりするよね」
「みんなはどうやって地域の人たちを巻き込み、うまく進めているのだろう?」
そんな声を聞き、今回のスミカメゼミの企画に発展しました。

“闇”というとインパクトのある言葉ですが、誰かを非難したりすることではなく、仕事を通じた違和感や課題をシェアし合い、どんなアプローチができるのか、私たちができることはなんだろうか、そんなことを思いながら話しが進んでいきました。
地域活性のため、移住・定住につなげるため、地域の企業の成長をサポートするため……。参加者のみなさんは地方の行政や事業者たちのさまざまな課題や目的に向き合い、イベント企画やデザイン、取材・ライティング、ブランディングといった活動でカタチにしています。
リアルな経験談を話しながら、いろいろな課題点が出てきました。
・自治体や地方企業が、外部委託に頼りすぎた問題
(都市の企業を救世主と思い込んでしまい、結果、地域の人たちが自信を失ってしまった…?)
・新しいものを生み出さなければと思い込んでいる問題
(都市への憧れが強いが故…?価値やブランド力よりもプロダクトアウトが先だったり…!)
・地域や自治体特有のルールに戸惑う問題
(みんな思いが強いが故に、なかなか物事が進まないことも…!)
PCの画面を見ると、うんうんと大きく頷く参加者たち。みんな同じようなことを感じてきたようです。
一方で、何年もの間地域の人や事業者を巻き込み活動領域を拡げてきた方からは、地域の人や事業者を巻き込み、時間をかけ積み重ねてきたからこそ出された、前向きな声が聞こえてきました。
・市民でつくろうする意識変革が起きている
・地域や地元事業者に対して何ができるかを考え、きっかけとなる「場」をつくる自治体や行政マンがいる
議論をし始めると、「地方と都市」と分けたうえでそれぞれの視点を意識した話をする場面もありましたが、コロナ禍で地方に拠点を移す人、都市以外にも拠点を持とうとする人なども増えてきた中で、「もはや地方や都市といった分け方ではないのでは」という声も。
その地に住んだり、過ごしているからわかること、反対に地域外の視点から見えるものもあります。ただ、それを地方や都市と分けることではなく、コミュニケーションがとれるかどうかなのではないか。そんな意見に、なるほどと考えさせられます。
交わした思いをどのようにファシリテーションして、しっかりと現実のものにしていけるかというのは、どのような仕事でも同じことがいえます。突き詰めていくと、やはり最後は人と人のやりとりがあるからこそできることだと、改めて気づかされます。
ちなみに、地域にはキャラの濃い住民やキーマンになる人がいることが多いですが「どんな方法で地域のキーマンを見つけている…?」という質問には、自治体が推してくれる人以外は、「カフェや飲食店に足を運ぶ」「スナックに行ってママに情報を聞く」など、キーマンの見つけ方が明かされました。(結局、どのような時代でも身体を運んで会いに行く、時間を共有するということは人の心を動かすことにつながっていくのかもしれませんと改めて思います)。
当たり前のことが、誰かにとって特別なものになったり、これまでなかったものが、新たな目玉になることもあります。
伝えたいことを伝わるようにするために、そして、「あの人がやっているのだから自分もやってみよう」と前向きな動きを波及させていくような共創するコミュニケーション力が問われている……地域にさまざまな形で関わるクリエイターや事業者が活動するうえで大切な考え方をシェアできたように思います。
今回の切り口は“地方の光と闇”で非常に広いテーマというのもあり、正解や何か結論が出るものではありませんでしたが、私たちがそれぞれの職能を生かして動く価値を改めて考えさせられる時間となりました。
 

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