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co-lab墨田亀沢の毎日

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Who’s working? 第10回 株式会社Artree 芦沢晋作さん

[co-lab墨田亀沢には様々な活動をされているメンバーさんがいらっしゃいます。 その活動をインタビュー形式でご紹介するシリーズ“Who’s working?”
第10回目は『株式会社Artree』の芦沢晋作さんです。 今回は芦沢さんに現在のお仕事やco-lab墨田亀沢に入ったきっかけなどについて伺いました。
インタビュー&構成:今野和人(co-lab墨田亀沢:re-printing/コミュニティ・ファシリテーター)


ブロックチェーンとは

――現在のお仕事は何でしょうか?
ブロックチェーンにかかわる仕事をしています。
――難しいとは思うんですが、ブロックチェーンとはどんなものか説明してもらえますか?
ブロックチェーンはみんなでデータを管理するシステムです。たとえば、銀行のATMを使い送金するときには、ユーザーの残高を管理するシステムが作動しています。その管理するシステムを1人で操作させず、分散させようというのがブロックチェーンの考え方です。 ――時々、銀行員が不正をするニュースを聞きます。個人が管理するから不正が起きてしまうと想像するんですけど、みんなで管理すればそういった不正も防げそうですね。
そうですね。1人で管理していると、その人にとって都合の悪いデータは全部消せますから。それと、ブロックチェーンはGAFAのような大企業がデータを集中してしまうことへのアンチテーゼで生まれました。権力も富の集中も分散させることで防ごうという新しい選択肢の提示なんです。
――なるほど。芦沢さんは具体的にどんな仕事をしているんですか?
僕はプライバシーとスケーリングの研究をやっています。みんなでデータを管理するブロックチェーンは利用者が少なければ計算や照合は簡単です。たとえば、利用者が2人なら、ある計算をした結果2人の解答が合えばいい。でも極端な話、70億人のデータをみんなで管理するとしたら大変です。70億人が同じ計算をして合わなければいけない。その煩わしさを解消するために、1人が膨大な計算や処理をしたものを、ほかの人は簡単な形で検証できるスケーリングという仕組みを考えています。

競争しないことで差別化する

――会社の方針は何でしょうか?
競争しないことを大事にしています。たとえば、名前のよく知られた企業に就職したい人はいっぱいいると思います。でもそれは他人がいいと思ってるものに飛びつく行為であって、結果的に似たような興味や価値観で競争が激化してしまうと思うんです。そうではなくて、いったん社会的に良いとされてる企業とか他人の目を気にせずに、自分の興味を掘り下げていく。そうすると、競争から逃れることができて、かつ差別化もできるのかなと。他人の評価に自分を置いてしまわないようにしています。
――すごく良い考えだと共感するのですけど、一方自分に評価基準をおくのはモチベーションの維持が大変じゃないかと思いました。相当強くないと心が折れてしまいそうな気もします。多くの人は、会社なり学校なりが決めた目標のために頑張るというサイクルでモチベーションを維持してるのではないかと想像するのですが。
もちろん、他人に評価されたい気持ちをなくすのは無理です。でも、人が決めたのではない個人的なモチベーションは維持するように頑張るものというより、それがあるときは誰でも頑張るのだと思います。ただ、モチベーションが下がったときの方法を持っておく必要があるとは思います。
――芦沢さんはモチベーションが下がったときどうするんですか?
下がってるときは、基本的に受け入れて休みます。普段行かないレストランに行ったり(笑)、YouTubeで動画を見て、いろんな人の発言にふれることでモチベーションを上げたりしています。

もくもくと作業する人もOK

――co-lab墨田亀沢に入った理由は何ですか?
家だと仕事がやりづらいので、コ・ワーキングスペースを探していました。ほかのコ・ワーキングスペースはイケイケの感じだったりギラギラしている人がいたりしたのですが、co-labは落ち着いてる感じがして、それが合いそうだなと。
――co-labをどんな人に勧めたいですか?
ここは多様性があっていいなと思います。自分のように1人でもくもくと作業してると、ちょっと浮いてしまってもおかしくないと思うんですけど、みなさん温かく接してくれますし。メンバーそれぞれが独立して楽しんでいる気がします。コラボレーションのやり方もほかのコ・ワーキングスペースにはないやり方だと思うので、いろんな人に勧められるなと思います。
――ちなみに、co-labの近くで好きなお店はありますか? モクシ―東京錦糸町は穴場で、雰囲気のいいカフェです。リラックスする場所として、よく利用しています。

モクシ―東京錦糸町

実は文学好き

――co-lab墨田亀沢に毎日いらっしゃる印象の芦沢さんですが、休みの日は何してるんですか?
休みの日はあまりないというか、休まないですね(笑)。それ以外は数学の勉強をしたり、明治以降の日本の小説を読んだりしています。
――そうなんですね! 理数系の趣味かと思いきや意外です。好きな作家は誰ですか?
生き方が好きなのは三島由紀夫です。三島自身が人生の経典にしてる『葉隠』という武士道の精神を説いた本にも起業するときに影響を受けました。作品が好きなのは芥川龍之介です。晩年の『歯車』とか読むと落ち着きます。
――すごい、文豪の作品を読んでいるんですね。それでは最後の質問です、これからしたいことは何ですか? 新しい産業に特化した研究所をつくりたいです。そのために年内には論文も書きたいと思っていますし、現在進めているブロックチェーンのプロジェクトも来年には大々的に広報もしたいと考えています。


ブロックチェーンの分散型の思想はGAFAのようなビッグデータを集める大企業だけでなく、経済成長が著しい中国のような中央集権型社会のあり方も相対化する視座を与える気がしました。個人情報を何か大きなものに譲り渡すことで快適さを享受するのではなく、個人情報を人とのネットワークで守ることで権力と富の公平性を確保していこうとする姿に反骨精神を感じます。前者のライフスタイルが覆いつくしていく昨今の世界で芦沢さんが後者の生き方を求める所以は、好きな文学がもつ価値観に則って生きているからかもしれません。
次回は『はなだフォトワークスすみだ』の花田友歌さんにお話しを伺います。お楽しみに!

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