Who’s working? 第14回 水落祥さん
co-lab墨田亀沢には様々な活動をされているメンバーさんがいらっしゃいます。
その活動をインタビュー形式でご紹介するシリーズ“Who’s working?”
第14回目はコピーライターの水落祥さんです。
今回は水落さんに現在のお仕事やco-lab墨田亀沢に入ったきっかけなどについて伺いました。
異業種からコピーライターになる方法
――現在のお仕事はなんでしょうか?
フリーでコピーライターをやっています。新聞や交通広告、WEB、ポスター、チラシ、DMなど様々な媒体で仕事をしています。
――水落さんはコピーライターにどうやってなったんですか?
学生の頃から広告が好きでした。ただ、広告業界を志す学生は、自分とは違って意識が高く優秀な人が多くて(笑)。当時は好きだという程度にとどまって、就職活動戦線に飛び込む能力も根性もなく諦めちゃったんですね。
新卒からは営業職をやっていたのですが、数年後に宣伝会議のコピーライター養成講座に通い、それを足がかりに中途で転職活動をして広告制作会社に入りました。
――なぜコピーライターになるという夢を諦めきれなかったのでしょうか?
広告業界に入る前から書いたり考えたりすることが好きで、例えば企画書作りとかちょっとした社内ブログなどをよく担当させてもらっていたんです。そこを評価してもらえることが増えてきたので「これを本業にしたいな」と思いながらずっと悶々と過ごしていました。ありきたりな言葉ですけど、人生における仕事の割合ってかなり大きいので、単純に好きなことを仕事にしたかったってことですね。
コピーライターはキャッチコピーを書くだけじゃない
――制作会社に入っても、いきなりコピーは書かせてもらえないですよね?
そうですね。僕が転身した当時はまだ体育会系の業界だったので、コピーライターになりたての頃は先輩の下について音声の文字起こしやリサーチ作業からはじめて。書いたコピーを見てもらったり、あとはひたすら校正をしたりしました。
――これまでの仕事で大変だったことは何でしょうか?
転身してから気付いたことなんですけど、コピーライターってコピーを書くだけではなく、制作進行、スケジュールや予算管理とかもするんですね。企画を考えたり、コピーを書いたりすることが好きでも、それだけで成り立つ仕事はほとんどなくて。会社員時代もそうですが、フリーになってからは特にそう感じます。自分の制作業務を全うするだけではなく、制作メンバーやクライアントさんとのやりとりも含めて、広告が完成するまできちんと責任を持って進行しないといけない。
全部当たり前のことですが、つくづく毎日が大変だなと(笑)。でも、楽しい仕事ですけどね。
――ちなみに、今年独立した理由は何かあったんですか?
コピーライターになった当初から「いつかは独立したいな」と漠然と考えていました。co-labにいるみなさんもそうですが、クリエイティブ職は特にそういう方が多いのかもしれないですね。どうせいつか独立するなら早いほうがいいなと思って、30代のうちに挑戦したかったのが一番の理由です。あと、独立するということは勤めていた会社を退職することになるので、業務の引き継ぎやご挨拶も含めて、できる限り関係各所の皆さんの負担にならないようにと判断したタイミングも重なりました。
――今後、どのような仕事をしていきたいかなど展望はありますか?
どちらかというと、今は「この広告物の制作をお願いします」と依頼をいただくお仕事が多いので、今後は自分でイチからつくっていくような仕事を広げていきたいと考えています。co-labに在籍しているクリエイターさんは、自分で企画した商品を販売したり、ディレクターとして企画の立ち上げからチーム編成、制作までを一貫して担当していたりと、幅広く活動されている方が多いので、毎日すごく刺激になりますね。
自分にとってアクセス抜群のシェアオフィス
――co-lab墨田亀沢を知ったきっかけは何でしょうか?
墨田区に引っ越してきた時に「コ・ワーキングスペース 墨田区」などで検索して、ここを見つけました。仕事でもプライベートでもよく地元の大阪と東京を行き来するんですけど、ここは空港へのアクセスが抜群に良くて。錦糸町から空港まで約1時間ですし、渋谷とか新宿にも行きやすい立地なんですよね。
――どこに興味をひかれましたか?
印刷会社の上にあるのが珍しいなと思いました。実家がアパレル系の町工場を営んでいるので、雰囲気もどこか似ていて、この空気感が懐かしくて落ち着きます。
――入ってみて良かった点は何ですか?
みなさんフレンドリーで、会員になった当初から気さくに話しかけてもらえてうれしかったですね。会員どうしのつながりが広がるように積極的にいろんな方を紹介してもらえたり、イベントが用意されていたりと、フリーの活動をサポートしてもらっているような感覚です。
あと、シンプルに24時間利用できるのがめちゃくちゃありがたいです。フリーランスって、始まりも終わりもない日が多いですから(笑)。好きなだけ仕事に専念できる貴重な環境ですね。
上に立たず、でも従わず
――仕事で大事にしていることはなんですか?
コピーライターはアーティストではないので、クライアントさんのご要望あっての仕事だと常に思っています。広告に詳しいからクリエイターが上に立つとか、かといって依頼主に言われるがまま従うとか、どっちが上か下かではなくて、関わる全員が同じ方向を目指す1つのチームなんだという意識を大事にしています。
――最後に。今後、co-lab墨田亀沢でどのようなコラボレーションをしたいですか?
デザイナーさんや他業界の方も多いので、企画とかコピーの面でお役に立てたらいいなと思います。また、co-lab墨田亀沢を運営しているサンコーさんともいくつかお仕事をさせていただいているのですが、印刷物はもちろんWEB制作やイベント企画、自治体と連携して墨田区を盛り上げる活動にも精通されているので、ここに集ったメンバー内のコラボで、いろんなモノ・コトの制作に携われたらうれしいです。
インタビュー後半で「コピーライターはアーティストではない」という発言がありますが、後者が社会に問いを投げかける人を指すのだとしたら、前者はクライアントの課題を解決する人を指すのだと思います。だからといって(水落さんが言うように)コピーライターは偉ぶるのではなく、クライアントの困りごとを聞いて理解し、デザインと協同して良い広告を制作するのだと想像します。逆に制作チームのバランスが崩れると、クライアントの主張が強く出てしまったり、コピーが凝りすぎてメリットが釈然としなかったり、最悪の場合チェックが機能せず炎上してしまったりするのが広告の恐ろしいところだと思いました。
今後もco-lab墨田亀沢メンバーのインタビューは続きます。次回をお楽しみに!